『与話情浮名横櫛』1
=2:正月くらい着物を着たいね=
■もどる■   ■すすむ■


  大江戸風俗通信・カット
今回のおハナシは、ふふふ、

『切られ与三郎』 です。
正しいタイトルは、『輿話情浮名横櫛』 よはなさけ うきなのよこぐし。
とりあえず、江戸時代のカブキには全て、
漢字奇数 のタイトルがついてます。
かなりてきとうな当て字です。 
例:『青砥稿紅花彩絵』あおとぞうし はなのにしきえ
で、こんなの読めっこねえから、日本語の副題付けるってゆーか、役者さんやファンが呼びならわしたりするワケです。
今だってドラマにLong Vacationとか英語のタイトル付けて
ロンバケとかちぢめて呼ぶでしょ、昔から似たよーなコトやってたなと思います。

「いやさ、お富、ひさしぶりだなあ」 とかゆってヤクザもんの与三郎 が昔のオンナのお富さん をユスるシーンは 歌にもなってたりしてわりと有名ですが、
与三郎 は始めはヤクザではなく金持ちの道楽ぼっちゃんで、
それが木更津のヤクザの親分のお妾だったお富さん と恋仲になって、 それがバレて、リンチされて、全身に34ヶ所の刀傷をつけられてしまうんです。
いやあ、SMの世界ですねえ、わくわくドキドキですねえ
でも、このリンチシーンがある幕、『赤間別荘』は現行上演殆ど出ません。つまらん
つまり与三郎は、“ぼんぼん金持ちふう”と“コワコテヤクザふう”の二種類のキャラクターの、着物の着こなしを見せてくれるわけです。
われわれも、お正月キモノを着て歩くとして、やっぱり上品にキメるか、コワモテ系にキメるか、そのへんポリシーは持ちたいトコロではあります。

というわけで与三郎着付け教室。
まず坊ちゃん与三郎。これは絹、シルクのおキモノに、派手な柄の羽織をひっかけて シャナシャナお歩きなのが特徴です。
そしてお富さんに一目惚れしてぼーっとして、羽織がハラリと脱げ落ちる、 いわゆる『羽織落とし』 のシーンは、このお芝居の中では「いやさ、お富」のシーンと同じくらい、じつは、有名なのさ。
でもでも、これを実行するには東京の道はキタナすぎます。それに 落ちた羽織をすぐ拾ってくれるトリマキが最低一人、絶対必要です。 そのへんの貧乏人には分に過ぎたファッションかも。 我々はおとなしく、デパートで3万円くらいで売ってるキモノを着て、 落とすのはヨダレくらいにしときましょ。 ま、着付けさえちゃんとすれば、上品ぽくは見えますので心配ありません。
お上品注意ポイント、まず、

(1)エリをきちんと合わせる。ジュバンが襟元から等間隔に、キレイに見えるように気をつける。

(2)スソのはじっこ、ツマっていうんですが、ここが右上がりになるように、つまりスソがすぼまるように着ます。当然足は内マタ、モデル立ち推奨です。
キモノだとけっこう内またでもおねえさんっぽくはみえません(小指立てたりするとバレます)。

全体にタテのラインを強調して細っぽくまとめるのがいいと思います(太ってても!)。
背筋をのばしてすまして座れば、あなたもきっとステキなオトコマエに見えるはず。
そして下半身はそのままに、胸元をぐいとはだけると、ホラ、
“コワモテ二枚目”のできあがり! フトコロ手とかするとシブいです。
今回は正月用お出かけファッションってコトで、このへんまでおさえとくとして、続きは次回。

あ、あと、冬は寒いから、恥ずかしがらずにラクダのシャツとかモモヒキとか 下に着ましょう。
※参考:着物の着かた図解


-2-