=『助六曲輪菊』=
=44:『江戸いちばんのいい男』の巻 =
また助六描いちゃった 。第1回にも描いたのに。
『助六由縁江戸桜』 すけろく ゆかりのえどざくら
じゃなく、今回描いたのは、
『助六曲輪菊』 すけろく くるわのももよぐさ
どう違うかというと、台本的な差異はほとんどなく、
ようするに、主演が「市川団十郎」 か「尾上菊五郎」 かの違い。
あと、使う音楽がちょっと違います。
先月からやってる、尾上松緑 襲名公演、
当然この『助六』 もやるのかと思ってたら、だから描くつもりだったのに、やってなくて残念。
チナミに松緑 という名前は、江戸中期、若くして死んだ二代目尾上菊五郎 のあとを継いで、
「新・音羽屋」として尾上(おのえ)一門を支えた「松助」が
引退してから名乗った名前。
音羽屋=尾上一門にとってはとても大切な名前です。
で、その松助の養子が三代目菊五郎 になり、顔もよく、芝居もうまく、大人気。
『四ツ谷怪談』の初演はこのヒト。
そして同じく人気絶頂だった歌舞伎界の首級(ドン)
七代目市川団十郎 の向こうをはって、上演したのだ、助六 を。
団十郎、大切な自分の専売特許に勝手なまねされて、怒った怒った。
そのあと4年間口きかなかったらしいからすげえもんだ。
菊五郎 、団十郎 への対抗心もあったでしょうが、
ようするに、「助六」、役者なら一度はやりたい いい役ってコトです。
その後の名優、四代目市川小団次 も助六をやりたがり、
当時の座付き作者河竹黙阿弥 に「似合わない」と言われて、
かわりに似たお芝居わざわざ書いてもらったくらい。
とにかく役者さんは「助六」 にあこがれるってことですね。
菊五郎の『菊(ももよぐさ)』 は『江戸桜』 にくらべて
助六の荒々しさより、動きのきれいさをビミョウに強調しているかも。
音楽も「清元」っていう一般的な踊り用の節を使ってます。
そういうイミで、助六の男っぷりを楽しむお芝居っていうより、
きれいなショーとしての要素が強いかもです。
もちろん、助六は助六 。とにかく見ていて
かっこよくて楽しいのです。それがいちばん大事。細かいコトはアトアト。
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