=『松浦陣太鼓』=
=48:『今年は300周年だって』の巻 =
年末です。
ご存じ、忠臣蔵 の季節がやってまいりました、うきうき。
といっても歌舞伎の『仮名手本忠臣蔵』 、べつに絶対この季節に
出すってモンでもなく、
今年はもうやっちゃいました。見ました。
さて、赤穂浪士の討ち入りといえば、ふつう
『仮名手本忠臣蔵』 を思い浮かべますが、
このお芝居、はっきり言ってかーなーり、衣装、ジミ。
いや、大序(たいじょ、一番はじめの段ね)とかは
たしかに色とりどりの衣裳をみなさんお召しになってるんですが、
このシーンに江戸時代、ついたあだ名が、
「ただしんこ」 。
米粉に砂糖と着色料を混ぜて、粘土細工のようにいろんなカタチを作って
小さい板に乗っけたもの。安い駄菓子、というよりおもちゃ、食玩?。
「板に乗ってる」「色とりどり」「安っぽい」 なへんが似てるらしいです。なんか笑う。
というカンジに、なんだか派手なようでイマイチビンボくさいのが、忠臣蔵 。
まあ、「浪士」たちってつまり「浪人」、金ないし、軍資金の調達に四苦八苦してるし、
そういう意味では
おハナシそのものがビンボくさいといえばビンボくさいからかなあ。
今回のこれは、『仮名手本』じゃなく、バイストーリーとでも言えばいいのか、
『松浦の太鼓』 ってお芝居。
吉良殿のおとなりさんは旗本の松浦侯 。このヒトが主人公。
松浦様、赤穂浪士の大の味方、いつ討ち入りするかとそればかりを心待ちにして過ごす、
<なんだかちょっと子供のような方 。
あ、バカ殿じゃないよ、武芸に秀で、貫禄もあり、連歌俳諧にも親しむ
文武両道武士のカガミじゃ。かっこいいのです。
でもちょっと子供っぽくて、そこが親しみやすくてステキなのだ。
という、役としてはかなりオイシイ役。
もう一人の主役は赤穂浪士の一人、大高源吾 。
これは若い二枚目、いいオトコ。はじめは落ちぶれた衣裳で
暮れの大掃除の笹竹売って歩いてて知り合いに同情される、ちょびっとナサケナイ役ですが、
でも「うらぶれた貴公子」ふうで、それはそれ、いい具合に目の保養ですが、とにかく、
後半、颯爽とした討ち入りルックで松浦侯に挨拶に来るところが、おかげで引き立つワケさね。
これも役者さんには楽しい役だろうなと思います。
あと、大高源吾の妹のお絹と、俳諧の師匠で、かの宝井其角 が登場、
どっちもいい役に書かれており、これも役者さん楽しそう。
んでまあ、ヤキモキして怒ってたた松浦侯が、
討ち入りの太鼓を聞いて大喜び、ってそんだけのお芝居だから、
『仮名手本』の登場人物たちがいろいろ悩んだりカケヒキしたり腹切ったりしているコトを考えると、
ホントにノーテンキですね 。
短い、テンポのいいお芝居だし、役者さんも気持ちよくやって、
見るほうも気持ちよく見て、気持ちのいい展開で、
ああ、すっきり、ってかんじです。
見るたびイイ気分。
ホ
ントに楽しいお芝居なんだってば。
やっぱりでも松浦侯の貫禄とかっこよさが最大のミモノでございます。
『仮名手本』にはない華やかさ。
ていうか、
この役を気持ちよくやれる役者さんって、やっぱり名優ってカンジがします。
単純なようで、誰にでもできそうな役ってわけではないですよね。
ところで、タイトルにもなってる有名な討ち入りの太鼓、
山鹿流「三丁陸六ッ、一鼓六足、天地人の乱拍子」・・・って、
・・・秘伝の打ちかたなんだそうだけど、
おおざっぱには「一打ち二打ち三流れ」だそうですが、言葉の意味のほうを知りたい。
山鹿流の免許皆伝にならなきゃムリ・・・?。
-48-